
こんな疑問に答えます。

今回は体脂肪がどのようなメカニズムでついてしまうのか解説いたします。
体脂肪のつきやすい場所は決まっている
鏡で自分の姿を見て「最近太ってきたな」と感じたら、それは体脂肪が増えたサインです。
では体脂肪は体のどのような部分につくのでしょうか?
皮下脂肪はお腹の周りや二の腕、お尻、太ももなどにつきやすいのがわかると思います。
要するに、普段あまり動かさない柔らかい部分に脂肪が溜まるわけです。
反対に、動かすひじやひざ、手首、足首などには脂肪はあまりつきません。
一方、内臓脂肪に関しては外からはわかりにくいですが、お腹がポッコリ出てくるのがひとつの合図です。
内臓脂肪は活性度が高く、こまめにエネルギーを貯めたり放出したり、という活動を繰り返しています。
そのため、内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちやすいという性質があります。
体脂肪のつきやすい部分とつきにくい部分
ポイント
つきやすい部分
- お腹周り
- 二の腕
- お尻
- 太もも
など
あまり動かさない柔らかい部分に脂肪が溜まりやすい。
ポイント
つきにくい部分
- ひじ
- ひざ
- 手首
- 足首
など
よく動かす部分には脂肪がつきにくい。手のひらなども皮膚が硬い部分も付きにくい場所。
体脂肪が増えるのは食べる量と消費量が問題
体脂肪が増えてしまうのは食べ過ぎが原因に他ならないですが、それならば食べないほうがいいのではないかと言ったらそうではありません。
人間はエネルギーを食べ物から摂る必要があります。
生きるために消費するエネルギーと食べ物から摂取するエネルギーの収支が問題なのです。
体が必要としている以上のエネルギーを摂れば、それは体脂肪となって蓄積してしまいます。
消費エネルギーは3つの代謝に分けられる
基礎代謝
心臓を動かしたり呼吸をしたりといった基礎的な活動で消費されるエネルギー。
起きているときも寝ているときも常に消費される。
生活活動代謝
生活や運動など、みずから動く活動によって消費されるエネルギー。
自分の行動次第で消費量を自由に変えられる。
食事誘導性代謝
食べたものを消化・吸収するために消費するエネルギー。
食べる内容や量によって消費量が変わってくる。
消費エネルギーの大半を占めるのは基礎代謝。生活活動代謝は活動内容次第だが、だいたい30%ほどとされる。
食事誘導性代謝は全体の1割程度。
体脂肪がつくメカニズム
「食べ過ぎると体脂肪が増える」とわかっていてもついつい食べ過ぎて体脂肪が増えてしまった。
しかも体脂肪は簡単につくわりに、落とそうと思ってもなかなか落ちない厄介なものです。
なぜそうなのか、理由を知るには体脂肪がつくメカニズムを理解する必要があります。
まず、食べたものは体内でブドウ糖に分解され、エネルギーとして消費されます。
そして消費されなかったブドウ糖は筋肉やグリコーゲンという形で貯蔵されます。
それでも余ったブドウ糖は、脂肪細胞に中性脂肪として蓄えられます。
このグリコーゲンはすぐにエネルギーとして取り出せて便利なのですが、あまりたくさん貯蔵することはできません。
その点、脂肪細胞はエネルギーを取り出すには少し使い勝手が悪いものの、いくらでも貯められるのが長所。
なのでグリコーゲンはすぐに使われ、脂肪細胞は貯蔵用として利用されるのです。
つまり体脂肪を減らすには、筋肉や肝臓のグリコーゲンを使い果たし、脂肪細胞を使わないといけない状態にしないといけないわけです。
ちょっと運動した程度だとグリコーゲンだけで済んでしまいますので、脂肪を燃焼させるにはしっかり運動しないといけないのでこれが体脂肪が落ちにくい理由です。
食べたものが脂肪として溜まるまでの流れ
- 食べたものはブドウ糖に分解され、体の各所でエネルギーとして消費される。
- 使われなかったブドウ糖は筋肉や肝臓でグリコーゲンとしてある程度貯蔵される。
- それでも余ったブドウ糖は脂肪細胞に中性脂肪として際限なく貯蔵される。
エネルギーが必要になったときの流れ
- 筋肉や肝臓に貯蔵されたグリコーゲンを分解してエネルギーとして放出する。
- それで足りなくなると、筋肉や骨をアミノ酸に分解してエネルギーを作り出す。
- 最後に脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪を分解し、脂肪酸として放出する。