



今回は
- お酒とは何か?
- お酒の危険性
- お酒のやめ方
についてご紹介していきます!
お酒とは何か?
日本では、アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」といいます。
アルコールにはエタノール、メタノール、プロパノールなどがありますが、一般的にお酒として飲まれるのはエタノール(酒精)です。
エタノールは体内に入ると、酵素の働きにより、最終的に水と二酸化炭素に分解されて、汗や尿、呼気から排出されます。
お酒を飲むと“酔う”のは、このアルコールの働きによるものです。
体の中でアルコールが分解されて消えてしまうまで、酔った状態は続きます。
また、アルコールには、飲み続けると、飲まずにはいられなくさせてしまう性質があります。これを「依存性」といいます。
なぜやめるべきか?
お酒に含まれるアルコールの大部分は、腸で吸収され、肝臓に送られ、ここで大部分が二酸化炭素と水に分解されます。
このアルコールを分解する働きを持つ「肝臓 」は、お酒を飲み続けることで“脂肪”がたまっていき、「アルコール性肝炎」や「肝硬変」という病気になってしまうことがあります。
その他ほかにも、口、のど、胃、腸といった消化器官、脳や心臓など、体中に悪い影響が現れます。
アルコール性肝炎とは
長期にわたる過剰の飲酒が肝障害の主な原因と考えられる病態で、以下の条件を満たすものを指します。
1.過剰の飲酒とは、1日に純エタノールに換算して60g以上の飲酒をいう
2.禁酒により 血清AST、ALTおよびγ−GTPの値が明らかに改善する。
3.B型肝炎やC型肝炎などの肝炎ウイルスマーカーや抗ミトコンドリア抗体、抗核抗体
などの自己免疫性の肝臓病を疑う検査値がいずれも陰性である。
アルコール性肝障害はアルコールを常習的に飲んでいる人に発症する疾患です。
日頃から飲酒量の多い人は、外見は痩せていても、肝臓に脂肪が蓄積され炎症を起こすことがあります。
これらの患者が大量飲酒後には、重症のアルコール性肝障害を発症し、命に関わる重篤な状態になることがあります。
飲酒するときに注意すること
空腹時のお酒はやめる
空腹時にお酒を飲むと、胃から小腸へのアルコールの吸収が速く、肝臓を経由して
脳へ到達するためすぐに酔いが回ります。
また、アルコールが胃壁などを荒らしてしまうこともあります。
食事と一緒にゆっくりと飲む
お酒には食欲増進効果もあり、食べながら飲むことでアルコールはゆっくりと吸収され、
血中濃度の上昇も抑えられます。
自分のペースを押し付けない、無理強いはしない
お酒は、節度を守ってたしなむことが大切です。
お酒に弱い体質や飲めない人への無理強いは絶対にやめましょう。
水の摂取も忘れずに
悪酔いを防ぐために大切なことは、水を十分に補給しながら飲むことです。
血中アルコール濃度の急上昇も抑えられるので、ほろよい気分が長く続きます。
また、アルコールには利尿作用があるため脱水症状を起こしやすくなります。
水分をたっぷり補給し、アルコールを体外に排出しやすくしましょう。
飲酒後の運動は要注意!
飲酒後は血中アルコール濃度が高くなっており、体はアルコールを分解、処理しようとしています。
この時期に運動・入浴すると、血液が筋肉に分散され、内臓に血液が集められず、アルコールの代謝速度が遅くなってしまいます。
飲酒後の運動は血液の循環が早くなるためすぐに酔いが回って平衡感覚が乱れ、予期せぬ事故や心臓発作に結びつく可能性があります。
飲酒後の入浴も血圧の低下を招き、血流低下を起こす危険性があります。
お酒をどうやめるか?

ご自身の健康管理のため節酒が必要です。
節酒を実行するには、飲みたい気持ちに打ち勝つことです。
付き合い上、飲む機会が多い方は
- 断る勇気を持つ
飲み会に参加しないことでお酒から離れられますが、
そのうちどうしても参加しなければいけないことも出てきます。
たとえ飲み会に参加してもお酒を断れる勇気を持ちましょう。 - 理由を伝えて断る
「医者から止められているので」
「今日は体調が悪くて」 など
気持ちがつい飲酒に向いてしまう方は
- 大量に飲まなくてもよい気分でいられると自分に言いきかす。
- 節酒を始めてから、経済的に楽になったかを考える。
- 大量に飲むことは健康によくないことを自覚する。
- 自分の飲酒が家族やまわりに与えてきた影響を思い出す。
身のまわりに飲酒の誘惑が多い方は
- 身のまわりのお酒を片付ける。
- 飲みたくなるような場所に近づかない。
- 大酒飲みのそばに近寄らない。
- 自分が節酒していることをまわりに告げる。
- 周囲の飲酒者にお酒を勧めないよう頼んだり、自分の近くで飲まないようにお願いする。
お酒を飲まないとイライラする方は
- 飲まない友人と遊ぶ。
- 運動をする、趣味を楽しむ。
- ストレス対処の方法を実行する。
- 友達に電話する。
- 散歩に出かける。
- 別の活動をして注意をそらす。
まとめ
今回は、お酒の危険性について解説させていただきました。
お酒をやめたくても、やめられないと感じたら、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。
アルコール依存症は意志の弱い人がなるのではなく、お酒を飲む人なら誰でも発病の可能性がある病気であり、回復可能な病気です。
アルコール依存症の治療法は断酒が最も効果的といわれていますが、自分だけの力ではお酒をやめるのは非常に困難なので、早期に適切な治療・指導を受けることが重要です。